2014年11月3日月曜日

帰ってきたら、おかえりなさいと言ってあげるわ。

先日、東京国際映画祭「庵野秀明の世界」に行ってきました。
これまでのテレビアニメ・劇場公開作品に加え、学生時代に自主制作した貴重な短編・CM・PV等を含めた約50作品もの大型特集上映となりました。
個人的にはジャイアントロボや王立宇宙軍など、他にもたくさん見たいものはあったのですが、時間とお金の都合上トップをねらえ!だけ見てきました。やばかったです。見に来て本当によかったと思いました。

トップをねらえ!は1988年、ガイナックスにより1話30分のOVAとして製作されたSFロボットアニメです。監督はもちろん庵野秀明、原作脚本岡田斗司夫、キャラクター原案美樹本晴彦など錚々たるメンツです。そうそうたるってこの漢字でいいのかな。とにかくすごいメンツですよね。
題名から分かる通り、有名映画や昭和アニメのパロディ・オマージュなどのネタが序盤から詰め込まれています。しかし、根底にはしっかりとしたSF設定がされていて、それが全6話の中で上手に構成されています。
特に顕著なのはウラシマエフェクトというSF設定。ノリコはほとんどの時間を宇宙空間での戦闘に費やすため、地球に残る人々とどんどん年齢が離れて行ってしまいます。一番の親友だったキミコは一児の母になっているし、一緒に闘っていたカズミお姉さまとも最終話では15年の差が出来てしまいます。大切な人を守るために闘っているのに、大切な人と同じ時間を過ごすことが出来ない。この描写が非常にリアルで残酷です。最終話では、ガンバスターの縮潰炉を起爆装置にするため、ノリコとカズミがブラックホールに出撃するのですが、二人が地球に戻る頃には12000年の歳月が流れることになります。たまらずユングが追いかけてきて二人を引き留めるのですが、ノリコは「でも…みんなは同じ時をすごせるわ」、カズミは「さよならは言わないわ」と出撃を決意。ここでボロボロ泣いてしまいました。この時のユングの台詞を、今回の題名にしました。トップは名言がありすぎて、どの台詞にするか悩んだのですが、この台詞が一番心に響いたので。
ついにガンバスターは中心部に到達し、起爆装置の爆破に成功します。そして二人は12000年後の地球に戻ってくるのですが、灯りはひとつもなく、二人は人類が滅亡したのだと愕然とします。そんな地球に、ポツリ、ポツリと少しずつ灯りが現れ始めます。浮かび上がってきたのは「オカエリナサイ」の文字。初めてテレビで見た時よりも泣いてしまいました。 そしてここでようやく、今まで白黒で描かれていた6話で初めて、カラーの地球が描かれます。演出がうまいです。
オカエリナサイのイは左右反転なのですが、これは特定の文字文化が衰退してしまい、その時点で解読が困難だったかららしいです。私はユングがロシア人だから間違えちゃったのかと考えていたのですが。何度見てもこのシーンは感動します。スクリーンで見れて本当によかったと思いました。

久しぶりに見たのですが、やっぱりトップ最高!以外の言葉が出ません。語彙力が無いのが悔しいです。やっぱりSFものは映画館で見るのとテレビで見るのとでは全く違うなあと改めて痛感しました。機会があれば、また映画館でやってくれたらいいのになあ。
全然違う話になりますが、トップのあとに食べた焼き肉とビールが最高でした。焼き肉食べたい。おわり。

2 件のコメント:

  1. 『オカエリナサイ』のシーンは僕も大好きです。
    言葉の意味は分からなくなっても、帰ってきた仲間を迎えてあげたいという”心意気”に僕たちは涙してしまうんだと思います。

    ちなみに僕の中での一番の名言は、お姉さまの『よくってよ』です!

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    1. 何回見ても泣いてしまいますね。スクリーンで見ると倍増でした。
      それも迷ったんですよね。あと奇跡は起きます!起こしてみせます!とか。
      トップは名言だらけです。

      兄さん、あれを使うわ!って今度言いますね。

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